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松岡 伸吾*; 池添 康正
J.Phys.Chem., 92(5), p.1126 - 1133, 1988/05
窒素-酸素-アルカン混合気体中で進行するイオン-分子反応を、大気圧イオン化時間分解型質量分析計を用いて調べた。反応条件は大気圧下、236-569Kである。Oイオンはアルカンと非解離型および解離型荷電移動反応をする。炭素数4以上のアルカンイオン(cnH)は高温で熱分解する。その他、NOOイオンNOイオンのアルカン類との反応速度定数など、24種のイオン-分子反応の速度定数を測定した。
荒殿 保幸; 中島 幹雄; 佐伯 正克; 立川 圓造
J.Phys.Chem., 90(8), p.1528 - 1530, 1986/00
原子炉照射フッ化リチウム単結晶中でのOT基の形成とその分光学的な性質を検討した。照射後650Cで熱アニーリングすると3578cmと2225cmに鋭い吸収ピークが表れた。それぞれのピークの放射線(Co)分解挙動及び、熱アニーリング挙動が一致することから、OH基、OT基に帰属されるピークであることを推定するとともに、同位体シフト値が理論値と比較的良く一致することからOT基の形成を確認した。さらに実測波数から分光学的なパラメータを計算しOT基の解離エネルギーは約5eVであることを示した。
K.W.Lee*; 伊藤 芳明*; 藤谷 善照*; 宮崎 哲郎*; 苗木 賢二*; 荒殿 保幸*; 佐伯 正克; 立川 圓造
J.Phys.Chem., 90, p.5343 - 5347, 1986/00
11~77Kにおいて、Ar(Kr又はXe)-CH-CD混合固体中での反跳トリチウム原子の反応を調べた。水素(HT+DT)の相対収率はエタン濃度の減少とともに増加したが、エタン(CHT+CDT)の収率は前者を補償するように減少した。この結果は水素がホット及び熱反応の両方で生成しているのに対し、エタンはホット反応のみで生じていることを示している。熱化したトリチウム原子は11~20Kにおいても量子力学的にトンネル効果によりエタンから水素を引抜くことが分った。さらに、CHとCDからのH/D引抜き反応の同位体効果を11~20Kと77Kで比較するとともに、ホットトリチウム原子の希ガス固体中での衝突当りの平均エネルギー損失の評価を行った。
桜井 勉; 日夏 幸雄; 高橋 昭; 藤沢 銀治
J.Phys.Chem., 89(10), p.1892 - 1896, 1985/00
再処理プロセスで複雑な挙動を示すルテニウムは、気相には四酸化ルテニウム(RuO)として現われる。PuOに接触すると、多くの物質は黒い析出物で覆われる。従来、この現象は不安定はRuOが固体表面で分解し、黒色の二酸化ルテニウム(RuO)が生成するため、と考えられていた。しかし、X線回折、ESCA等を用いて詳細に検討した結果、分解ではなく、RuOが特殊な構造をとって吸着する現象である、との結論に達した。
貴家 恒男; 河西 俊一; 武久 正昭
J.Phys.Chem., 88(15), p.3326 - 3329, 1984/00
700MPaまでの高圧下でビニルモノマーの誘電特性を測定した。基をもつビニルモノマーの誘電率'は200~300MPa附近で急激に増大した。この圧力は圧力~体積(P-V)関係に不連続を与える圧力に対応し、これまで報告した高圧下では平面構造を有するビニルモノマーは短距離に配列するという考えを支持する結果を得た。圧力~'に不連続性を与える圧力はモノマーの化学構造により変化し、基とビニル基との位置関係と密接に関連する。
佐伯 正克; 立川 圓造; 宮崎 哲郎*; 藤谷 善照*; 笛木 賢二*
J.Phys.Chem., 88(14), p.3108 - 3110, 1984/00
L-Fを添加したn-CDを中性子照射して作ったトリチウム化デカン(n-CDT)の77Kにおける放射線分解を調べ、T原子とD原子の同位体効果について検討した。ガスクロマトグラフィーにより、同位体組成の異る5つの水素分子(H、HD、D、HT及びDT)の生成量を測定した。HT/DT比はHD/D比に比べて非常に小さかった。77Kでは放射線分解により生ずるD原子は、系内に微量存在するn-CHから選択的に水素引抜き反応を行いHDを与えることが分かっている。従って、放射線分解で生じたT原子はD原子に比べかなり小さな選択性しか示さなかったことになる。この原因を固体デカン中でのD原子とT原子の質量差に起因する現象として考察した。
池添 康正; 小貫 薫; 清水 三郎; 佐藤 章一; 松岡 伸吾*; 中村 洋根*
J.Phys.Chem., 88(24), p.5945 - 5948, 1984/00
1気圧CO-CO(0.97%)-O(0.11%)中で、(O(CO))(CO)+(CO)の形をしたクラスターイオンが生成することを、時間分解型大気圧イオン化質量分析計(T RAPI)によって明らかにした。このイオンはO+(CO)+2CO(O(CO))(CO)、(CO)+(CO)+O(O(CO))(CO)などの遅い発熱反応によって生成している。さらにこのイオンは、COとOに対して低い反応性(~10cmS)を持っていること、プロパンに対しては高い反応性(~10cmS)を持っていることを明らかにした。
荒殿 保幸; 立川 圓造; 宮崎 哲郎*; 長屋 重夫*; 藤谷 義照*; 笛木 賢二*
J.Phys.Chem., 87(7), p.1201 - 1204, 1983/00
77K固体Xe-CH-CD系での反跳トリチウム原子による水素引抜き反応を調べた。水素引抜反応の同位体効果の値は(CH+CD)が10モル%以上では約1.4であるのに対し10モル%以下では次第に増加し0.2モル%では3.5~6となる。この値はガス相でのホットトリチウム原子による水素引抜反応の同位体効果の値1.3にくらべきわめて大きい。放射線分解により生成するH,D原子の場合との比較から、この結果は熱トリチウム原子によるトンネル効果に帰因することを示した。
荒殿 保幸; 立川 圓造; 宮崎 哲郎*; 川合 行洋*; 笛木 賢二*
J.Phys.Chem., 86(2), p.248 - 251, 1982/00
neo-CH・i-CHD(2モル%)およびn-CD-nCH(10モル%)系での反跳トリチウム原子の水素引抜反応をESR、ラジオガスクロマトグラフを用いて20,77,195,300Kで調べた。それらの結果を-線による放射線分解で生じるH(D)原子の反応と比較検討した。77K以外ではH,D,T間の結果は一致するのに対し77Kでは、H,Dで見られるような溶質からの水素引抜反応がTの場合観察されない。これはT原子では生成初期の反跳エネルギーが非常に大きい(2.7MeV)ため減速過程でホット反応を起こしてしまうためかあるいはトラックに沿って生じる分解フラグメントとの反応性が高いためであることを示唆している。実験値より実際に77Kでトラックより拡散し反応できる割合は数%となる。
河西 俊一; 貴家 恒男; 武久 正昭
J.Phys.Chem., 85, p.1271 - 1274, 1981/00
スチレンとエチルベンゼンの高圧下での、スピン格子緩和時間(T)を測定した。用いた装置は、米プラクティス社製PR103を高圧をかけられるように改造したもので、連続90°パルス法でTを測定した。測定は、温度を一定にして常圧から180MPaまでの圧力範囲で行った。 スチレンの場合、Tの圧力変化のisobarは、0から80MPaではTは連続的に変化するが、それ以上の圧力では一次の相転移を思わせる「とび」が見られる。この「とび」の大きさは圧力とともに大きくなり、その両側のTの大きさから両域とも液相であり、スチレンはこの圧力域で二つの液相を持つことがわかった。 この液-液相転移は、エチルベンゼンでは観測されないことから、スチレンのビニル基の平面構造が関与しており、またTの温度依存性の検討から、高圧下でスチレン分子がクラスターを形成し、それがあたかも一つの分子のように運動していると考えた。
貴家 恒男; 河西 俊一; 武久 正昭
J.Phys.Chem., 84(20), p.2595 - 2598, 1980/00
スチレン(St),-メチルスチレン(-MST),アクリロニトリル(AN),メタクリロニトリル(MAN)、およびSt,AN飽和化合物であるエチルベンゼン(EB),プロピオニトリル(PN)のP-V-T挙動を測定した。ビニル基を有するSt,-MST,AN,MANは結晶化圧力より低い圧力域で急激な比容積変化を伴う一次転移類似な挙動をする。この転移が起る圧力域は重合速度の圧力依存性が急変する圧力域で一致する(前報)。またP-Vデーターから転移の潜熱を計算すると、結晶化時のそれの1/10程度であった。重合挙動の圧力依存性の変化と考え合せ、この圧力域でモノマー系はisotropicな液体からanisotropicな液体に液~液転移すると結論した。飽和化合物であるEB,PNのP-V曲線はスムーズで、液~液転移は認められない。この事実から、この種の液~液転移に対し、平面構造をもつビニル基が重要な役割をしていると結論した。
永井 士郎; T.Gillbro*
J.Phys.Chem., 83(3), p.402 - 405, 1979/00
チオフェンの単結晶およびそのシリカゲル吸着試料を線照射して、生成するラジカルの構造と反応をESRにより検討した。ESRスペクトルの解析により、生成するラジカル種および昇温によるラジカルの転換過程は、それぞれ、結晶および吸着系で同じであることが明らかになった。77Kにおける照射により主として、チオフェンにH原子が付加した構造をもつ2-hydrothienylラジカルおよびH原子の脱離した3-thienylラジカルが生成する。試料を昇温すると、チオフェン2量体のアリル型ラジカルの生成が観測され、このラジカルは3-thienylラジカルがチオフェンに付加した構造をもつ考えられる。
貴家 恒男; 河西 俊一; 武久 正昭
J.Phys.Chem., 83(25), p.3290 - 3293, 1979/00
スチレンの圧力-体積(P-V)挙動の測定および高圧下の放射線重合挙動の検討を行った。比容積は40C 2000kg/cmで急激な変化を示した。この急変に対応して重合挙動も変化した。2000~2800kg/cmの圧力域で、重合速度は活性化体積-50.5cm/molという大きな圧力依存性を示した。2800~4000kg/cmの圧力域では、重合速度はほとんど圧力依存性を示さず、その活性化体積は-4.3cm/molであった4000kg/cm以上では再び大きな圧力依存性を示した。63.3mol%のスチレンを含むスチレン~ベンゼン2成分系では、P-V挙動および重合挙動は実験圧力域でスムースで、重合速度の圧力依存性は-17.6cm/molの単一の活性化体積で記述できた。両者の比較からスチレンモノマーも加圧下で短距離では配列し、また、この配列にはベンゼン核およびビニル基部分が重要な役割をはたすと推論した。
桜井 勉; 高橋 昭
J.Phys.Chem., 82(7), p.780 - 784, 1978/07
四フッ化酸化ルテニウム(RuOF)は不安定な物質で、室温でもその酸素を放出して分解する。この熱分解は70C付近でもっとも起こりやすく、このため蒸気圧は70Cを超えると減少する。これらの性質は文献に記載されている性質と異なる。測定した赤外吸収スペクトルをもとに、このものの不安定な原因を論じた。
熊倉 稔; 杉浦 俊男
J.Phys.Chem., 82(6), p.639 - 643, 1978/06
脂肪族ケトン化合物として簡単な分子構造のものについてJ-O-F質量分析計を使用してイオン-分子反応を研究した。電子衝撃によって生成される主なイオンのイオン化ポテンシャルおよび出現電圧はRPD法によってイオン化効率曲線から快定された。ケトン化合物からのRCORは縮合-脱離反応によって中性分子にプロトン、アルキルイオンおよびアシルイオンが結合した生成物を生ずる。RCOは附加反応によってアシル化イオンを生成することから明らかになった。RCORとRCOによるアシルイオン移動反応の速度定数はアルキル基の炭素数の増加と共に増大し、RCORの速度定数はRCOのそれに比較して著しい。これらは中性分子の分極率の効果によって説明できる。一方RCOは縮合-脱離反応によってアルキルイオン化分子を生成しイオンの反応性は分極率および運動エネルギーに依存した。
永井 士郎; 松田 光司; 畑田 元義
J.Phys.Chem., 82(3), p.322 - 325, 1978/03
COとH混合ガスの電子線照射により生成するラジカルを検出することを目的としてスピントラッピングの実験を行った。反応容器として流通型接触反応容器を、ラジカルのトラップ剤としてフェニル-N-t-ブチルニトロンを用いた。COとH混合ガスを電子線照射した後、容器内でトラップ剤と接触させ、生成物をLig.Nトラップで捕集した。生成物のESRスペクトルから、H原子およびメチルラジカルの生成が明らかになったが、同時にトラップ剤の分解も起こることが示された。COとH混合ガスの代わりにHガスを用いた実験、さらにトラップ剤の放射線分解をCOとH混合ガスおよびHeガスの流通下で行った結果、H原子およびメチルラジカルはトラップ剤の分解によっても生成したものであることが明らかになった。この結果は、COとH混合ガスを用いた実験から裏づけることができた。
永井 士郎; T.Gillbro*
J.Phys.Chem., 81(18), p.1793 - 1794, 1977/00
2-クロルチオフェンの単結晶を作成して、77kで線照射しESRスペクトルにより生成ラジカルを検討した。77kで観測されたスペクトルの異方性と、別に測定した多結晶試料からのスペクトルとの比較から、ClとClの超微細結合定数とgテンソルの主値が沢定できた。実験的に求められたスピン密度は、CNDO法により計算した2-クロルチオフェンアニオンラジカルについての値と非常によく一致した。このアニオンラジカルにおいて不対電子は非結合性軌道に存在しており、新しいタイプのラジカルであることがあきらかになった。77kから昇温するとアニオンラジカルによるスペクトルはSラジカル特有のスペクトルに変化し、アニオンラジカルからC-S結合の切断が起こることが示された。
大道 敏彦; 大野 英雄; 古川 和男
J.Phys.Chem., 80(14), p.1628 - 1631, 1976/00
溶融LiBeF中のフッ素の自己拡散係数をキャピラリー法でFを用い測定した。得られた拡散係数Dは D=6.5310 exp[-(30.63.4)10/RT] で表わされる。拡散係数の値ならびにその活性化エネルギーがともに大きい結果を説明し得る拡散機構として、フルオロベリリウム陰イオンが回転を伴い、しかも近接アニオン間でのフッ素の交換を伴うものであろう。
藤村 卓; 田村 直幸
J.Phys.Chem., 79(17), p.1859 - 1863, 1975/00
ポリエチレン(PE)を60Cで延伸し分子鎖を十分に揃えてから、77°Kで電子線を照射する事により、ラジカル対による分離の良いMs=1のESRスペクトルを得ることに、高分子で初めて成功した。スペクトルの得られたラジカル対の構造を決めるために、一軸延伸試料についてMs=1スペクトルにおける微細分離の理論的な角度依存曲線を算出した。この理論曲線と実測値とを比較した結果、二つの主鎖型アルキルラジカルがPEの二分子間に生じた分子間ラジカル対よりは、一分子内に生じた分子内ラジカル対の方が実験事実とより良く一致することが分った。二つのラジカルを結ぶ方向は分子鎖に平行であり、その距離は531である。この分子内ラジカル対は二重結合生成の先駆体であると考えられる。スペクトルが実測された分子内ラジカル対以外にも、PEには他の型のラジカル対の存在することを示す、いくつかの事実が見い出された。
桜井 勉
J.Phys.Chem., 78(12), p.1140 - 1144, 1974/12
気体三フッ化臭素とフッ素をそれぞれ二酸化ウラン粉末と反応させ、反応プロセスの比較から両フッ素化剤の反応特性を検討した。両反応において二酸化ウランはフッ化ウラニルを経て六フッ化ウランにフッ素化される。BrF-UO反応は40Cでも進行しUFを生成するのに対し、F-UO反応では390C以上に温度を上げないとUFの生成は認められなかった。三フッ化臭素を用いると穏やかな実験条件の下でフッ素化を進めることができる。